2019-01-01から1年間の記事一覧

3-23.会話編 善導の就人立信と就行立信~蓮師への系譜

善導の観無量寿経疏 散善義・上輩観・上品上生釈・深心釈中の二種深信釈のあとに就人立信釈と就行立信釈が述べられている。浄土真宗聖典七祖編462頁~464頁 *1 就人立信釈 十方におのおの恒河沙等の諸仏ましまして、同じく釈迦よく五濁悪時、悪世界、悪衆…

3-31.会話編 六字釈-本願招喚の勅命と発願回向

*1.善導の六字釈 南無というはすなわちこれ帰命なり。またこれ発願廻向の義なり。阿弥陀仏というはすなわち是れその行なり。この義をもっての故に必ず往生を得。 *2.善導の六字釈に関する祖師の御自釈 (1)しかれば南無の言は帰命なり。帰の言は至なり…

3-30.会話編 無条件の救いと信行

B君 あるブログのコメント欄で、如来の救いには条件があるか無条件かという意見交換がされていた。これはどのように理解したらいいんだろうか。 A君 「無条件の救いではない」という人は信とそれに続く行が往生の条件だというのだろう。 B君 信行が往生の…

3-29.名号の解釈論(十八願と名号)-所信は本願か名号か(続き)

B君 元祖と祖師の能信は同じだが、所信は本願か名号かという違いがあると主張するある布教師の問題提起はどのように整理し、理解したらいいんだろうか。 A君 形式的な解釈論としては、十七願と十八願を切り離して十八願の願文だけで十八願を解釈するか、十…

3-28.会話編 信の特性(大悲感受の一対性)-所信は本願か名号かの違和感の正体

序章 導入 (問題の提起) B君 あるブログ(「浅川進の、宗教と私」)に布教師が解説した音声録音の文字起こしが連載されていた。内容の一部として「能信と所信」について解説されていた。 A君 どんな解説だったか、簡潔に要約してくれないか。 B君 布教師に…

3-27.会話編 他力信の特性(現在性)-平生業成とは-

B君 平生業成と念仏往生の法義の違いについて布教師が解説した音声録音の文字起こしが、あるブログ(「浅川進の、宗教と私」)に掲載されていた。 A君 私も読んだが、そこで述べられていた平生業成と念仏往生の各法義を簡潔に要約して紹介してくれないかな。…

3-26.会話編 他力信の特性-回心とは-

B君 祖師は信に一念があると教えられたが、その文言上の根拠は無量寿如来会の「一念の浄信」という文言にある。その上で十八願成就文の「聞其名号信心歓喜乃至一念」の「一念」を信の一念と理解された。この信一念は信が開発する初起一念と理解されているが…

1-30.他力信の特性

他力信の特性を列挙してみる。信の特性はこれらに限定されるものではないし、いくつかは重複している。感じるままに考えたもので教学的に整理したものではない。①.大悲感受性②.事実性③.現在性④.未来指向性⑤.過去因縁性⑥.純真性⑦.意識非対象性⑧.無所…

3-25.会話編 念仏往生(続々) 南無阿弥陀仏 妙味と教学

B君 信の味わいは教学とは別だと考えている人は多いように見受けられるが、君はどう考えているのか。 A君 信の妙味とは大悲を感受していることから味わえる感じや思いのこと、摂取不捨の阿弥陀仏に南無(信順無疑)となっている心の状態を基点として生じる思…

3-24 会話編 念仏往生(続編) 南無阿弥陀仏が往生決定の証拠になるとは?

〔設 問〕 御文(四帖目8通)に次の文がある。この文と念仏往生の教えとは異なるのか。 当流の信心決定すといふ体はすなはち南無阿弥陀仏の六字のすがたとこころうべきなり。すでに善導釈していはく「言南無者即是帰命 亦是発願回向之義 言阿弥陀仏者即是其行…

3-22.会話編 念仏往生 念仏の勧めとは?

B君 「阿弥陀仏はまかせよと勧めており、念仏は勧めていない」とある布教師が言ったことを契機として、阿弥陀仏は念仏を勧めていない、いや、勧めているという議論が始まったばかりだが、君はどう考えているのか。 A君 「阿弥陀仏は念仏を勧めているか否か…

3-21.論考 ある白道解釈 プラス 会話編

以下において論評の対象にする白道解釈は次の引用文である。この引用文はある真宗系を自称している団体のホームページ(平成31年1月10日現在)からそのまま転載したものである。 阿弥陀仏は、「どんな人も必ず絶対の幸福に助ける」と命を懸けてお約束なされて…

3-20.論考 元祖の白道解釈 プラス 会話編

昭和新修法然上人全集448頁に収録されている「一.三心料簡事」の出だしから中頃にかけて、息慮凝心の定善と廃悪修善の散善は貪嗔邪偽等の血毒が交わるが故に雑毒の善、雑毒の行と名付ける。虚仮の行とは至誠心において嫌われる余善諸行である。この虚仮雑毒…